白水滝(しらみずのたき)[国指定名勝]

 白水滝は、白川村大白川の上流に位置する落差67.4メートルの直瀑です。対岸に設けられた観瀑台から望むと、200メートル先に滝口から滝壺までまっすぐに流れ落ちる姿を一望することができます。白山に積もった雪解け水が一気に断崖を落下し、滝壺に吸い込まれて真っ白な水煙を立ち上げる光景は迫力に満ち、訪れる人々を圧倒します。

白水滝の写真②

 この滝は、約2200年前の白山噴火による「白水滝溶岩流」によって生み出されました。噴出した溶岩が大白水谷と湯谷を埋め、舌状の平坦地「猿ケ馬場」を形成、その末端に断崖ができ、そこを小白水谷と大白水谷の水が落ち込むことで、現在の白水滝が形成されました。観瀑台自体もこの溶岩流の上にあり、滝の成り立ちを間近に感じることができます。

 滝壺には大白川特有のエメラルドグリーンの湖面が広がり、白い水煙と対照的な幻想的景観を生み出しています。また、滝を囲む断崖には、溶岩が冷え固まる際に生じた「柱状節理」がはっきりと観察でき、2200年前の噴火の痕跡を今に伝えています。左右で節理の方向が異なるなど、地質学的にも貴重な観察対象です。

 周囲の森はブナやミズナラを主体とする広葉樹林に覆われ、春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、滝を引き立てる四季折々の背景をつくり出しています。遠景には白山南縦走路の峰々が控え、白山連峰を背景に滝を望むことができる点も魅力です。

白水滝の写真③
白水滝の写真①

 こうした自然景観の価値から、白水滝を含む大白川一帯は昭和30年(1955年)に白山国定公園に指定され、昭和37年(1962年)には白山国立公園へ昇格しました。そして令和6年(2024年)2月21日、白水滝は国の名勝に指定され、岐阜県内で滝を対象とする国名勝としては初めての事例となりました。

 白山の火山活動が生み出した断崖と水流が織りなす白水滝は、科学的にも景観的にも貴重な存在です。轟音と水煙を響かせ続けるその姿は、今なお白山の大地の記憶を映し出し、白川村を代表する自然の象徴として後世へと受け継がれています。

白水滝の写真⑦
国立公園指定当時の白水滝
白水滝の写真
昭和24年の白水滝
写真:細江光洋撮影(岐阜県美術館所蔵)