転法輪窟(てんぽうりんくつ)
白山御前峰山頂の真下の南東部崖地、標高2,650mあたりにある白山修験の究極の行場とされる石窟で白川村の村域内に所在します。平瀬道から登り室堂へ向かう尾根を登りきり標高2,450mの室堂平のとりつきまでくると右手の御前峰下に転法輪窟が確認できます。
白山開山の祖泰澄が籠もった窟と伝えられ、寛政元(1789)年の白山曼荼羅(能美市蔵・石川県指定文化財)にもこの窟で修行する泰澄の姿が描かれています。

岩窟は大白川の谷の一つ転法輪谷の源頭部にあり当方の飛騨側を向いて開かれ、南北に11m、奥行4m、窟の天井は高いところで3.5m、奥で1mの規模である。

白山曼荼羅(1789・能美市蔵)
曼荼羅に描かれた二つの峰の内右手の峰が御前峰。この右中腹に「朝日之岩窟」として泰澄が修行する転法輪窟が描かれている。
近年まで銅像十一面観音像が窟の奥に安置されていましたが、現在は白山比咩神社宝物館に保管されています。この像は十二世紀のものと考えられており、本地垂迹説に伴い霊峰の胎内物として、この窟に安置された可能性が高いとされています。白山修験の聖地として古来より数々の白山修験者がおとずれた白山信仰の原点といえる岩窟です。