翠ヶ池(みどりがいけ)
白山山頂付近には数多くの爆裂火口があり、その一部は水をたたえ池となっています。翠ヶ池は、白山に点在する七つの池の中で最大のものです。標高2,500メートルを超える高地にあり、周囲を荒涼とした火山地形に囲まれながら、湖面には常に青緑色の水をたたえています。この神秘的な色合いは、雪解け水と火山性の地質条件が組み合わさった結果であり、登山者の目を引きつけるとともに、古来より霊的な存在として崇められてきました。
「白山の記」(白山宮最古の縁起、1,163年)には二人の童子が土石を投げつけた後のひとつに澄んだ水がたたえられ「翠池」となったという噴火を想起させる起源の記述があります。この噴火は長久3(1042)年のものとされており、地質学上翠ヶ池は7つの火口湖の中で唯一噴火時に溶岩ドームを形成した痕跡をもつ池とされています。

同じく「白山之記」では「剣ノ御山(剣ヶ峰)」の麓に「翠池」という池があり、その水を飲むと、「延齢(延命長寿)」を得ることができること、「大山(剣ヶ峰)」の傍らに玉殿(ほこら)があり「翠池」から権現が出生したことなどが記されており、白山信仰の成り立ちに深く関わりのある池とされています。