平瀬登拝道(ひらせとはいどう)

 平瀬登拝道は、飛騨側から白山山頂を目指す主要な登拝路で、白川村平瀬から大白川を経て御前峰に至ります。この道は、修験者や参拝者が白水滝を結界として仰ぎ見て身を清め、大白川温泉で休息しながら山頂へと進む、信仰の道でした。

 近世の記録には、平瀬や御母衣の集落を出発し、大白川を遡り、険しい谷や地獄谷を越えて南竜ヶ馬場で美濃禅定道と合流する工程が詳しく記されています。女人禁制の地や修験者の逸話なども多く残されており、白山信仰の厳しさと神聖さを物語っています。

 明治以降もこの道は登拝者に利用されましたが、昭和41年(1966年)に県道白山公園線が整備されると、自動車で白水滝や登山口まで行けるようになり、登山のスタイルは大きく変わりました。現在では「平瀬道」と呼ばれる登山道が整備され、多くの登山者が白山を目指しています。かつて修験者が祈りを込めて歩いた平瀬登拝道は、今も自然と信仰が交わる歴史の道として受け継がれています。

平瀬登拝道の写真①
昭和10年代 平瀬一大白川間吊り橋道
平瀬登拝道の写真②
険しい平瀬道を荷馬で行く