遺産の範囲

遺産の範囲

 遺産は三箇所の山村集落「荻町」「相倉」「菅沼」からなり、霊峰白山の麓の白川郷と五箇山地方の険しい山間の地に分散して所在しています。現行の行政区域では「荻町」は岐阜県大野郡白川村、「相倉」「菅沼」は富山県南砺市に属します。

 三集落は周囲に設定された緩衝地帯Ⅰ種(良好な自然環境または歴史的環境を維持するために現状の変更が厳しく制限されている地域)で保護されており、さらにその外側は3地区を包含する広域の緩衝地帯Ⅱ種(自然環境及び文化的景観の保全のために一定規模の開発行為が規制される地域)で囲まれています。

※白川郷・五箇山の範囲
 白川郷と五箇山という呼称は江戸期以前のこの地域の呼称です。右の図の青色、緑色の範囲は白川郷・五箇山地域の内、世界遺産の緩衝地帯(バッファーゾーン)を示したもので白川郷・五箇山はこの範囲よりさらに広い地域を指します。右図の青色の緩衝地帯は現在の白川村の村域ですが白川郷の範囲は白川村の南側(図では下)に接する高山市荘川町と高山市清見町森茂を含んだ地域です。一方五箇山の緑色の緩衝地帯は旧平村と旧上平村(現:南砺市域内)の村域ですが五箇山の範囲は旧上平村の東側(図では右)に接する旧利賀村(現:南砺市利賀村)を含んだ地域を言います。

白川郷の遺産の範囲を示した地図

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資産の法的地位

 資産である三集落は文化財保護法による「重要伝統的建造物群保存地区」により保護されています。「伝統的建造物群」は1975年7月の法改正に際して加えられた文化財の新しい概念で、「周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの」と定義されています。

保存地区名称 選定年月日
白川村荻町伝統的建造物群保存地区 1976年 9月 4日
南砺市相倉伝統的建造物群保存地区 1994年12月21日
南砺市菅沼伝統的建造物群保存地区 1994年12月21日

緩衝地帯の法的地位

 三集落の周囲に設定された緩衝地帯は主に下記の法的規制により保護されています。

集落
白川村荻町集落 緩衝地帯第Ⅰ種 白川村景観条例における重点景観形成地区(景観法による)
緩衝地帯第Ⅱ種 白川村景観条例における景観計画区域(景観法による)
南砺市相倉・菅沼集落 緩衝地帯第Ⅰ種 国指定史跡、五箇山県立自然公園富山県立自然公園条例による)
緩衝地帯第Ⅱ種 自然環境及び文化的景観の保全に関する条例による保全区域